第14章 心と行動の問題および児童虐待
問題行動の要因
子供達の問題行動の要因として、3つ挙げられます。
内因性・・・体の器官や遺伝的な影響
外因性・・・脳の疾患やホルモン分泌による影響
心因性・・・ストレスによる影響
これらによって子供達は問題行動を起こすのですが、コーチとして出来ることは、心因性を支えることだと感じました。
心理的な問題は、行動に影響を及ぼし、身体的な疾患は、心理面に影響を及ぼすということで、心のケアは、コーチとして最低限やらなければいけない役割だと感じました。
問題行動や習癖異常について
問題行動や習癖異常は、子供の不安や緊張、寂しさ、悲しさなどのネガティブな感情から生まれてくるもので、行動自体を止めるように指導しても解決には至りません。
習癖異常には、指しゃぶり、爪かみ、性器いじり、抜毛症、皮膚むしり症など様々に渡りますが、これらは心理的な問題の表れに過ぎないという事を忘れないように心掛けなければならないと思いました。
自分のことを振り返ってみても、不安な時は、指を唇にあてるということや、これちょっとまずいことしたなぁと思う時に頭をかく癖があるなどは気になっていたので、習癖異常は、それが心理的な負担が自分の許容を超えたときに起きるもののように感じました。
コーチとしてでいること
コーチとしてできることは、子供達がいつでも安心して話しかけれる雰囲気を作ることが大切だと感じました。普段から愛着を持ってコミュニケーションを取ることで、不安や、緊張、寂しさなどを和らげ、同時にそこの性格や癖などを把握できるように努めることが大切だと感じました。
子供が普段とは違う行動を取っているときには、何か、いつもと違う感情を感じているという可能性があるので、注意深く観察するように心掛けたいと思います。
確かに、集合した時に、お話をやめないという子がまれにいるのですが、お話をしたいというよりも何か別の感情を感じているではないかと感じている部分はありました。
不安さというか、なんというか。ここの部分は、はっきりしたことは言えないですが、コーチとして感じたのは、不安な気持ちがあるのかなぁ。とは考えていました。
毎回、集合の時に誰かと話ているというよりも、ある特定の時だけ話しているという感じでしたので、これからは、その要因も突き止めれるくらいに子供達をしっかり観察できるように努めていけたらと感じました。
第4部 学童期以降の発達を概観する
第15章 学童期~青年期
学童期について
具体的操作期の大半を占める学童期ですが、特徴としては自己中心性が減少していく、脱中心化があげられます。
学童期に入ると読み書き、計算などの学習することが可能となってきます。
学習のポイント
学習のポイントを動機付け、記憶、メタ認知の3つに分けてまとめてみたいと思います。
動機付け
動機付けは、大きく内発的動機付けと外発的動機付けの2つに分けられます。
一般的に、内発的動機付けが学習において有効であるということが説明されています。自分の中で目的を見つけ、それ自体を達成することが喜びとなるように指導していくことが必要になります。
褒め方について
しかし、外発的動機付けも有効になることがあります。例えば「褒める」という行為ですが、学習の促進に大きく手助けする役割を担うことがあります。
注意点としては、褒めすぎると、褒められることが目的になってしまうため、外発的動機付けとなってしまいます。
これを読んで、個人的に思ったのは、子供が、出来ているかどうか不安に思っているとき等に「できているよ」という確認の意味で「OK」と言ったり「ナイス」という事が有効なのではないかと思いました。
褒めすぎというのは、子供が行動して、出来たことに対して褒めたとしても、もしかりに出来なかったとしてフォローでいなかった場合に、出来なければならないという強迫観念にさらされるのではないかということがあると思いました。
また、行動して、出来なかったとして、行動したことを褒めたとしても、子供としては、出来なくてもとりあえずやればいいんだぁという固定観念を植え付けてしまうのではないかと思いました。
たまたまできてしまった場合に褒めたとしても、とりあえずなんでもできればいいんだという考えになってしまうと思いました。
個人的な考えは、子供が出来ていることに対して、「これでいいのかなぁ」と迷っている感じの時に「ナイス」と一声かける程度がベストかなと考えました。
子供が出来ていると自覚しているのに、褒めることは、褒めすぎでそれが、外発的動機付けにつながる恐れがあると考えました。
記憶について
記憶は、短期記憶と長期記憶というものとは別に、ワーキングメモリーという記憶が注目されています。
ワーキングメモリーは、記憶したものを扱う力の事で、頭の中で計算したり、会話するときもこの力を使うみたいです。
このワーキングメモリーの個人差がとても大きいことが衝撃でした。
小学校1年生になる子供でも上位10%は10歳の平均のワーキングメモリーと同じで、下位10%は、4歳の平均のワーキングメモリーと同じみたいです。
このワーキングメモリーは、学びの土台となるので、人の話を聞こうと思っても、途中で理解することができなくなり、授業についていけなくなってしまうこともあります。
子供によっては、集中力がない子、説明を聞くことが苦手な子がいることは、指導をしていて感じていたので、一人のワーキングメモリーの力を考えながら説明できるようにしながら、少しずつ鍛えれるように徐々に段階をあげていけるように努めていきたいと思いました。
メタ認知について
メタ認知とは、「認知していることを認知する」という事です。
つまりこれが、児童期における、他者からどう思われているかという原因となるものだと知って、面白いと感じました。
メタ認知には2種類あります。
認知的行動・・・自分の行動を認知し、目標や目的に沿って修正すること
認知的知識・・・日常経験や人から教えられたことにより、気付くこと
メタ認知を鍛えるためには、振り返る習慣が大切になってきます。
子供達にも、どうすればよかったのかと問いかけたり、今日あったことや楽しかったことなど、日常的なことも振り返るように子供達に聞きながらコミュニケーションを取りたいと思いました。
練習が始まる前とかに、子供達と会話していて、低学年の子は、やはり今日あったことを覚えていないことが多いのは、メタ認知の影響もあるんだなぁと納得しました。
今日何があったのか聞いてみることは、一つのトレーニングになるかもしれないと思いました。
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学童期の仲間関係について
この章で個人的には、一つの疑問が解決されました。
子供の発達段階において、友人関係への価値観の移行がとても気になっていました。
学童期のメタ認知による発達で、他人が認知していることを認知できるようになります。
つまり、他の子供が、他の子の事をどう思っているかわかるようになります。
同時に、他の子が、自分の事をどう思っているかもわかるようになります。
これにより、仲間関係やコミュニケーションは、サッカーを始める前に仲間づくりを意識することから始める傾向にあるのかと感じました。
確かに初級コースの中でも、小学1年生の子とかは、人間関係というよりもサッカーをとりあえず始める傾向にありますが、小学3年生くらいから初級コースで始める子は、まず友達の名前を覚えようとしたりする傾向になると感じていました。
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学童期の発達課題について
エリクソンによる学童期の発達課題は、勤勉性と劣等感です。
スポーツや学問でも、何かに努力して上達することで、自尊心が育まれたり自信へと繋がっていきます。
メタ認知の発達により、自分と他人を比較していまったり、努力してもうまくいかなかったり、あの子の方が上達しているという、劣等感を感じることがあります。
この両方をバランスよく経験し、乗り越えていくことが学童期の発達課題であり、コーチとしては、出来ることだけを経験させるのではなく、出来ない時に他の子が出来ているという劣等感を少し混ぜていき、乗り越えるための試練を与えることも大切になっていきます。
勤勉性には、実行機能が密接な関係にあり、抑制機能、切り替え、更新などを発達させない限りは、勤勉性を身に着けることが出来ないので、自己抑制と自己主張を身に着ける幼児期の発達段階も影響があります。
コーチとしては、内発的動機付けを付けることで勤勉性が身に付いていると判断した時点で、少しずつ劣等感を感じるようなトレーニングも混ぜていくことが必要になります。対戦形式のトレーニングを混ぜていけば、自分の中でも悔しさを経験するので必然的にほどよい劣等感は生まれるのではないかと考えました。
青年期について
青年期と思春期の意味の違いについてですが、一般的に
身体的・精神的な変化により影響を強調する場合を「思春期」という言い方をします。
親子関係についても様々な葛藤を交えながら自立をしていく時期と言えます。
仲間関係について
児童期と大きく違うのは、児童期の仲間関係の傾向としては、自分と同じような人と仲間を形成する傾向にあるのですが、青年期の傾向としては、自分と違う価値観や年齢、異性とでも受け入れ、仲間として形成することが出来ます。
時に、お互いの価値観をぶつけ合いながら、自分の価値観を形成していきます。
アイデンティティについて
「アイデンティティとは、自分自身の内部で斉一性(私は誰とも違う私である)と連続性(過去・現在・未来と私は私であり続ける)が感じられることと、他者がその斉一性と連続性を認めてくれることの両方の自覚」であると言っています。
アイデンティティの確立には、「自分が思っている自分」と「他人が思っている自分」とが合致していることが必要であることを意味しています。
常に、アイデンティティが確立している部分と確立していない部分があり、確立している部分を多くしていくことが大切です。