ルスデランパラサッカースクールの日常

発達心理学ガイドブックの感想・まとめ

発達心理学ガイドブック】を読んで学んだことをまとめていきたいと思います。

 

第1章 枠組みと方法

エピジェネティクスとは

エピジェネティクスという遺伝子のスイッチをオン・オフにするために、経験が用いられるというようなことが書かれてあってとても面白いと思いました。

もともと、自分の中には、まだ開花されていない秘められた力があり、それを蘇らせるために経験が必要という事だと思います。

この経験は、学習や練習という言葉でも言い換える事が出来ると思いますが、子供達にサッカーを教える上で、子供達の特徴を生かしながら指導していくことも大切だと思いました。

最適期について

最適期は、出来ないことが出来るように学び取ることができるということで、ある程度、出来るようになってくると安定してくるのですが、出来ないことに挑戦する時にまた不安定となり出来るように学び取ろうとします。

これは生涯において起きる事なので、子供達が出来るようになってきたらまた出来ないことに挑戦するように指導や環境を変えさせるように働きかけなければいけないと思いました。

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第2章 理論と方法

ロックとルソーの教育観の違い

ロックとルソーの子供の教育に対する考え方が、正反対でとても面白いと思いました。

ロックは、賞罰による教育で、指導者が子供に影響を与える必要があるという外発的な考え方でした。

一方、ルソーは、子供に対する危険を取り払い、子供の内発的な成長が出来るように社会についての重要性を説く考え方でした。

 

ルソーは、子供の成長を4段階に分けています。

2段階目は、3歳から12歳の児童期であり、子供の感覚や興味を大切に促す必要があると考えています。具体的なものを抽象化することが出来ないので、自分で経験することが大切なのだろうと思いました。

3段階目は、12歳から15歳の児童後期ですが、この時期に、子供の学習意欲が高まり、他人から学びたいという気持ちが高まります。

言語の影響もあると思いますが、他人が言っていることを想像したり、理解することが出来るようになって、児童後期には、もっと知りたいという気持ちが高まるのかなぁと感じました。

確かに、学年が上がるにしたがって、子供達のサッカーに対する指導の説明を聞くときの集中力も高まっているように感じます。

はっきり12歳を区切りにする必要はないと思いますが、この段階分けの目安は、一つの基準になると思いました。

 

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ピアジェの発達段階

ピアジェの面白いと思ったのは、子供が出来ないことについて注目し、子供の発達段階を4段階に分けたことが面白いと思いました。

2段階目の前操作的段階は、自分の中心に物事を考えることが出来るようになるけど、他人がどう思っているかを考えれない。

これは、2歳から7歳の子に多いので、初級コースに前操作的段階の子と具体的操作段階の子供が混ざっていることは、あまり好ましくないと思われるので今後、改善に努めたいと思いました。

「子供が何を出来ていないのか」ということに注目することは、裏を返すと「子供が何を出来ているのか」を見ることにも繋がることであり、子供の個性を把握するにはとても必要なことだと思いました。

出来ている子と出来ていない子を一緒にペアを組ませることで、新たな気付きを得ることもあるのではないかと考えました。

 

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ヴォウルビーのZPDについて

同じ年齢の子供でも同じ問題を解くのに、出来る子と出来ない子がいるということで、精神年齢に異なりがあるということを見つけ出しました。

これを周りがサポートすることで、出来なかったものが早く出来るようになっていきます。

特に初級コースの入ったばかりの子や年長さんの子に

「自分で考えて動きなさい!」

なんて伝えてでも出来ないので、ある程度コーチが援助しながら、自分で考えて動けるように援助していくことが大切だと感じました。

レーニングについても、動作的認識と映像的認識、言語的認識があるように動作は繰り返し行うことで身についていくかもしれませんが、特に高学年の子に対しては、映像的認識と言語的認識へアプローチすることでより、認知の発達が促されると考えました。

 

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ヴィゴツキーの愛着行動について

発達心理学を勉強して一番良かったと思うのがこの愛着行動です。子供は、母親を安全基地として色々な場所へ冒険に出かけます。

これをしっかりと理解することで子供達は安心して、主体的に行動できるようになります。

愛着行動は、子供によって様々ですが、コーチとしては、この子供の愛着行動のサインを見逃さずに、全てに対応する必要があります。

 

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第3章 乳幼児期への導入

西本先生が伝えていたこと

生後間もなくの間は、外的な要因によっての影響が大きいという事です。

面白いと思ったのは、生まれて間もない子は、睡眠中に仰向けで寝るようにすることで、窒息死を防ぐ活動が行われていた時に、うつ伏せで寝かせていた時の状態に比べて、腕で体を起き上がらせようという動きの回数が減るため、起き上がる時期が遅くなるというものでした。

西本先生も、赤ちゃんが起き上がろうとすることを自分でやらせることの重要性を伝えていたので、このことを言っていたのだろうなぁと思いました。

 

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人間の子供に与えられた最大のメリット

仔馬は、生まれたときから直ぐに立ち上がることが出来るのに対して、人間の赤ちゃんは、直ぐに立ち上がることが出来ません。

それどころか、周りの援助なしに生きていくことができません。

人間の子供は大人になるまでの長い時間が必要となるメリットとして、この期間で学習することが出来ることがあげられました。

このことについて、当たり前のように学校に行き、勉強をしていたのであまり考えてこなかったですが、言われてみれば、未成熟がゆえに、親の援助を借りながら成長できる子供の期間は、まさに学習期間においてはもっとも大切な時期と言えると思いました。

自分が高校の時に、物理の先生が

「無料で勉強できるのなんて今だけなんだで、大人になったら勉強するのに金を払わないといけないんだから」

と言っていて、面白いことを言うなぁと思った記憶がありますが

こういった子供であるメリットを伝えていくことは、子供と触れ合う指導者としての大切な役割だと思いました。

 

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第4章 乳児期の認知発達

脳の負担を抑えるカテゴリー化

カテゴリー化について、一つ一つ記憶するのに、全てを記憶していては、脳の負担が大きいので、類似しているものをカテゴリーに分けることで、脳への負担を減らすことができるという事です。

子供達を見ていても、最初は年上の子が年下の子と触れ合う時に、出来ないことが理解できないということを目にしますが、例えばじゃんけんを一緒に行う中でも、段々と年下の子にじゃんけんのペースを合わせるようになります。

これは、小さい子というカテゴリーに分けているのかなぁと思いました。

 

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乳児期の認知的発達について

乳児期の認知的発達が、外的要因によるものなのか、内的要因によるものなのかという話は、指導者としてはとても面白いと思いました。

数の数えることが出来るという事も、乳児期には2ー1や1+1くらいの計算ができるみたいなので、これらをやってみることは、外的要因として認知的発達が促されるのではないかと個人的には思いました。

 

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第5章 初期の言語発達

ルーティンによる習慣化

乳児はルーティンによって言葉を覚えることが早くなります。おむつを変えるというルーティンからひとつ合図を決めるだけで、その合図を元に言葉を覚えていきます。

おむつを変える前に「準備はいい?」と毎回言ったとしたら、「準備はいい?」という合図で、今からおむつを変えるのだという乳児のルーティンを作り出します。

これは、指導でも応用できることだと感じました。トレーニングで集中する時の一声を決めておくことで、それがルーティンとなり、集中できるという雰囲気を作り出すことが重要だと思いました。

 

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指をさして言葉を覚える

指をさすことで、それをマークして、言葉を覚えていくこともあるそうです。乳児が指をさすこともあれば、母親が指をさして注目することで言葉を覚えていくこともあるそうです。

特に年長さんや1年生など、まだ道具の名前を憶えていない子にとっては、コーンとマーカーの違いもわからないので

「あそこのマーカーを・・・」という言い方をしているのですが、注意しなければならないのが、指している指自体を子供が見ていないこともあり、まったく違うところを向いていることもあるので、そこも気を付けて子供の目線に合わせて指をささないといけないと思いました。

 

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第6章 乳児期における社会的,情動的発達

主体性のベースとなる愛着行動

愛着をベースにした子供と養育者との関係による行動は3つあります。

1つ目は、養育者に近づこうとする行動

2つ目は、養育者を感じられる範囲で探索する行動

3つ目は、養育者と離れすぎたときに、不安になる行動

子供が自由に探索できるようになるためには、しっかりとした愛着行動を築く必要があります。

そのためには、子供の愛着をしっかり受け入れる事や身体的接触を行う事。微笑みを大切にすることがあげられます。

いつでも余裕を持って指導することで、子供達の主体性に必要不可欠な愛着行動を受け入れる準備をしておく必要があると思いました。

 

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社会的参照について

乳児は、母親の表情を見て、情動的行動を決めることがあります。

母親が怖い顔や悲しい顔をしている場合は、その行動をやめ、嬉しそうであれば進んで行うというものです。

コーチとしても、表情をどのように扱うかは、とても大切になると感じました。

いつも笑顔でいることで、子供達は安心してコーチに近寄れるようになり、安心してサッカーを楽しむことができるわけですが、いつまでも片づけをしなかったり、あいさつの声が出来なかったときなどに、笑顔で伝えていたら、子供達にも迷いが生じてしまうと思うので、言葉だけでなく、表情でもメリハリをつけることが大切だと感じました。

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第7章 就学前期への導入

就学前期は、2歳から6歳頃と言われています。

この間の身体能力の変化や脳の発達、認知機能の発達が著しいということがわかりました。

就学前期の身体能力について

身体能力の変化は、顔の比率が全体に対して小さくなるので、歩行や走ること、跳ぶこと、指先の動きをスムーズに使う事が出来るようになってきます。

個人的な記憶ですが、ケンケンパというゲームを子供ならがらにやっていた記憶がありますが、小学生ぐらいに行った時には、簡単すぎて、すぐに飽きてしまった記憶があります。ケンケンパは、就学前期に遊べる、身体能力や認知機能の発達を促すトレーニングだったのかもしれないと感じました。

身体に変化があることと同じように運動をしていくことで、身体能力の発達を促していけるのではないかと考えました。

顔の比率が大きいのに、無理な運動をさせても、出来ないこともあるので、時期を見たトレーニングが必要だと感じました。

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ルールを学ぶことが出来る時期

就学前期の子に描画を行わせていくと、年齢が上がるにつれて、特徴を区別できるように描かれているのはとても面白いと思いました。

特に、小さい時は、自分の認識で描くことがあり、犬と仲の良い子が、犬を描く場合は、人間と同じ大きさで描くなど、自分の想いと現実を切り離せないことがとても興味深かったです。

もし、サッカーの試合を行っていても、この認識だと、自分が間違えていたとしても、正しいと思い込んでしま事がありえると個人的には解釈しました。

就学前期後半には認識できてくるようですが、時期を見て、ルールを学んでいくことも大切だと感じました。

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第8章 就学前期の認知発達

経験によって推測する力が変わる

就学前期の子供が、物事に対して、経験していることによって、推測することができるのかという研究がとても面白かったです。

金魚を5ヵ月間、飼育していた子供に対して、「金魚にたくさんエサを与えたら大きくなるのか?」という質問をしたところ「お腹が痛くなる」というような、人間目線からの答えを出したそうです。

金魚を飼育していない子供は、「大きくなる」と答えた子が多く、他にも、金魚を実際に飼育していた子は、水の入れ替えることやえさのあげ方などをお話したそうです。

経験によって、推測する力が変わってくるというのは、とても面白いことだと思いました。

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問題解決の方法について

問題解決について、面白いと思ったのは、解決するための目的と手段を考えるにあたって、条件が多すぎると、条件を覚えることでいっぱいいっぱいになり、解決することがこんなんであることが指摘されていました。

類推する力によって、同じような事柄を、解決する力があるので、一つ一つ、小さいトレーニングを解決できるようになることが実践に繋がるようなトレーニングを行えば、子供達は、少しずつ成長していけると考えました。

第9章 就学前期における言語発達

 

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言語発達の過程で、二つの考え方があり、内側から外へという考え方と、外側から内へという考え方があるようです。

内側から外へ

内側から外へというのは、経験によって覚える言語を最小限に考え、自分の中で、類似する言語をカテゴリーに分けたり、系統立てて覚えていくという考え方です。

この考え方の面白いと思ったことは、子供が、間違えて文法を話して、正しい文法を教える時に、すぐに正しい文法を覚える方法は、間違えたことを否定せずに、そのまま正しい文法を伝えるという事だそうです。

しかし、間違えた文法を、違います。とはっきり伝えてから正しい文法を教えた場合、正しい文法に直すのは時間がかかりますが、その後の、自分の内側で、正しい文法で答えようという意識が育ち、結果的に、言語を正しく覚えれるようになったそうです。

この研究は、就学前期の子を対象に行っているので、児童期の子供に対しては分からないのですが、個人的に思ったのは、間違えた時に、そのまま正しいことを教えれば、子供は、何も考えることなく真似をしただけで、考える習慣が身に付かなく、逆に、違います。と否定され、正しい文法を教えてもらった方は、否定されたことによるストレスで、「なんで違うんだろう」と無意識に考えるのかもしれません。これについての疑問は、なぜ、否定されたほうは、その場で正しく文法を直すのに時間がかかるのかという疑問が浮かび上がりました。

友達のもうすぐ三歳になるネパール人の赤ちゃんも

象の事を

「DOG!」と言っており

お父さんが「NO!エレファント!」と教えて

「DOG」「NO!エレファント!」

という押収をずっとやっていたのは、そういうことだろうなぁと思いましたが

子供もこのやり取りを楽しんでいるように感じたので、就学前期の子には、有効なんだろうなぁと思いました。児童期の子にも有効なのか、今後も調べていきたいと思いました。

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外側から内へ

言語を経験によって覚えていくという考え方が、外側から内へという考え方ですが、面白いと思ったのは、言語の発達が早いのは、子供を如何に喋りやすいように促していくかという事だそうです。

しっかりと子供の話を聞き、質問していくことが大切になってきます。

サッカーのプレーに対しても、子供に質問して話させることで、サッカーに対しての考えを深めていけるのだと感じました。

 

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第10章 就学前期の社会性と情動の発達

人間関係を築くための3つの力

人間関係を築くために必要な力は3つあります、

自己抑制、社会的問題解決、向社会的行動です。

就学前期のこれら3つの力は、養育者の他者に対しての姿勢を

真似することが多く、養育者の態度が非常に大きな影響を与えます。

 

 自己抑制について

自己抑制は、自律的に独立した行動を取れるかが大切になってきます。

情動的な行動をコントロールできるように、トイレに行くことやご飯を食べることなど自分でできなければ、自分の感情をコントロールするのは、養育者に頼ってしまうことになるのだと感じました。

スクールでも、嫌なことをされたときに、コーチに何とかしてもらおうという子供は多いですが、自己抑制を鍛えるためには、自分で感情をコントロールして、相手との関係の折り合いを付けれるようになると良いと思いました。

 

 

社会的問題解決について

社会的問題解決は、暴力的な行動によって解決をしようとするのか、しないのかということが大きな違いを生むそうです。

暴力的ということは、他者に影響を及ぼしたいと考えていることが多く、暴力的でなければ、他者をしっかりと観察し、理解しようとしている傾向にあるという事です。

問題解決の方法を、ムカついたから殴ったでは、簡単に解決するかもしれませんが、殴っただけでは、本当の問題の解決にはなっていません。しっかりと、他人の考えも理解し、話し合うことで問題解決をすることが必要だと感じました。

スクールでは、ルールを基準に、子供達同士話し合っているので、年齢関係なく、ボールが外に出れば、相手のボールから始まり、ファールをすれば、相手ボールからです。ここでしっかりと言葉で伝えることで問題解決に繋がります。

 

 

向社会的行動について

向社会的行動は、きょうだいがいると両親の影響により、上の子が下の子の面倒を見るようになります。

スクールでも試合を行っていて、仲間が転んでしまったり、痛そうにしていると、基本的には、心配しているというか、そこに集まって「大丈夫?」という言葉をかけています。

 

 

第11章 児童中期への導入

児童中期は、6歳から青年期に入るまでのことを言いますが、この時期は男女の身体能力の差が出てきます。

一般的には、女子よりも男子の方が身体能力に優れ、女子の方が柔軟性や手先の器用さに優れています。男子の人気な理由に選ばれる要因はチームスポーツを行っているかどうかであり、女子の人気な理由は顔が良いかどうかにあるそうです。

確かに、小学1年生を見ていても、女の子に対しての対応が、男の子に対しての対応の仕方と違う印象があるので、性差の違いを意識しているのは感じていました。

男の子と女の子を同じ対応で接するのではなく、女の子の特徴として、人間関係を非常に大切にするという事があったので、サッカーだけでなく、コミュニケーションの比重も大切にしていこうと思いました。

 

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第12章 児童中期の認知発達

賢い選手になるための3つの力

就学前期と児童中期の認知の違いに、就学前期の子供は、知覚から論理的に考えることが出来ないが、児童中期から頭の中で、論理的に考えることが出来る。

また、見えていないものを論理的に考えることができるのは、形式的捜査段階からできるようになるとピアジェは言っていたが、これを覆したのはとても面白いと思いました。

大切なのは、記憶力であり、ワーキングメモリ、実行機能の有効性、長期記憶からの検索力が挙げられます。

この概念は、サッカーで論理的に考えることが出来るかどうかということに大きく関わってくると思います。

技術的なことも大切ですが、賢い選手になるためには、これら3つの要素は必要不可欠に感じますので、これらについてはもう少し詳しく調べていきたいと思いました。

 

ワーキングメモリについて

ワーキングメモリは、短期的に記憶し、処理する機能ですが、これは年齢と共に覚えられる数が増えていきます。ワーキングメモリには、言語をメモすることや、視覚をメモする事、そして、対象となる事柄にどれだけ集中することができるかという3つの機能から成り立っているということです。

指導をしていても、選手たちが行ったプレーを再現するために、今行われた映像を再現する必要があるので、この視覚をメモするワーキングメモリは非常に重要になってきます。ワーキングメモリの処理スピードや記憶量というのは、長期記憶からも影響があるということなので、何に集中するのかとか、推測するといったことは、過去の経験に影響されるのだと思いました。ワーキングメモリを鍛えるというよりも、日ごろから集中してサッカーを教えたり、生活すること自体が、ワーキングメモリを鍛えることに繋がるのだと感じました。

 

日本とアメリカの計算能力に対する文化的違い

日本などのアジアの国とアメリカの計算能力を比較した時に、アジアの国々の方が圧倒的に点数が高いという事です。これは、勉強の時間を費やし、体系立てられた勉強方法を基礎からみっちり学んでいることが影響を受けているのだと考えられています。 

アメリカは、計算能力は、自然に成長するものと考える人が多く、出来なければ、出来ないでそれでいいと考える人が多いのだそうです。

子供は、文化の影響を逃れることが出来ないという重たい言葉が書かれておりましたが、ある意味、子供達に影響を与える指導者である以上、同じような責任を感じて指導していかなければならないと思いました。

 

 

第13章 読み書き能力(リテラシー

本を読むことの大切さ

読むことについて、言葉の読み方を知ることと、言葉の意味を理解することが別の問題ということは、何となくの経験で理解することが出来ましたが、個人的に振り返っても、学校の授業で、教科書を声に出して読んでいても、頭の中に入ってこないという経験があったので、そういう事だと思いました。

逆に、意味がある程度わかっていれば、目で追っているだけでも内容をある程度把握できることがあるので、逆の場合も成り立つんだろうなぁと感じました。

言葉の意味を理解することと、人の話を理解する事というのは相関関係にあるということが書いてあったので、とても面白いと思いました。

確かに、子供の中でも、本を読んでいるという子と雑談する時は、特に、感情表現豊かでとても楽しい印象があります。

本を読む事の大切を改めて感じました。

 

 

第14章 児童中期の社会性と感情性の発達

児童中期の攻撃性

児童中期の人間関係は、重要な役割を占めていて、仲良くなればなるほど、自分の内面的な話をする一方で、内面的な話から、関係を悪化させることもあります。

個人的にも経験があるのは、小学5,6年生の時に、仲間はずれにされたこともあるし、仲間外れにしたこともあるのですが、これは両方とも特に、仲の良い関係の子と起きたことでした。

この本に書いてある通り、身体的な攻撃性というよりも、精神的な攻撃性に変わってくる年頃だったんだと感じました。

小学1,2年生であれば、他の人のボールを蹴っ飛ばすなど、直接的な攻撃というのは、見られますけど、仲間外れといった攻撃性は見られません。

こういう違いを理解できたのはとても勉強になりました。

 

 

児童中期の道徳性

道徳性についても、3年生くらいまでは、まだ年下の子が出来ないことに対して理解することが難しいように感じますが、5,6年生になってくると、公正さを身につけ、出来ない子に対しての理解もすることが出来ています。じゃんけんを1年生と5年生が一緒にする時も年下の子のスピードにあわせてじゃんけんをしているので、すごいなぁと思った覚えがあります。

道徳性の発達もこのように変化していくと理解することが出来ました。

 

 

第15章 青年期への導入

感情に左右されやすい年齢

青年期の注意のコントロールは、感情によって左右されることが多いみたいです。

確かに、自分の中学生時代を振り返ってみても、サッカーの試合中にミスをしてしまうと、味方からの視線が痛く、ネガティブな感情というか、焦りの感情が芽生えて、試合に集中できなかった記憶があります。

そういうことを言われれば、確かにそうかもしれないと思うかもしれませんが、当の本人たちは、試合することに必死で、ネガティブな感情になっているときに、自分がネガティブになっているなんてことは気付かないと思うので、あらかじめ、感情に左右されやすい年齢だという事は伝えておくべきだと思いました。

 

 

青年期の難しさ

子供と成人の間にある青年期という期間を設けている国は、多いみたいで、日本も青年期の間を中学生という形で教育している形になります。

大村はま先生の言葉で

「小学校は子供の学校。高校生は大人の学校。中学校は、子供が大人になるための準備をする学校です。中学生はとても難しい年頃です。もし、この時期が簡単なら、中学校はいらないわけです。小学校が7歳~15歳まででいいわけです。わざわざ中学校という準備期間を設けているのは、この年頃が難しいからです」

というような言葉がとても印象深く、忘れられないですが、ここでも青年期という重要性を語っていたので面白いと思いました。

有り余るエネルギーをコントロールすることが難しい年齢で、現代では、青年期から成人期になるまでの期間が長くなっており、経済的に親に依存する期間が長くなっているみたいです。

このエネルギーを抑えつければ、爆発してしまうので、自分で抑制することが出来る方法を伝えていくことが大切だと思いました。

 

 

第16章 青年期の認知発達

ゴールデンエイジについて

青年期の形式的操作的推理は、目の前に起きていることだけではなく、頭の中で想像して、予測することが出来るようになります。

これは10歳ごろから徐々にできるようになるということで、ゴールデンエイジの時期と重なります。

9歳までは、目の前に起きていることをどうやって解決するかということをしっかり学ぶことが大切になり、10歳から徐々に、「もし相手がこう動いてきたら」という、頭の中で想像することを学ぶことが大切になってくると思いました。

 

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青年期の実行機能

実行機能は、青年期から成人にかけても発達が促されると聞いて、個人的にも嬉しい苦感じます。

自分の中で、記憶をコントロールすることができれば、今必要な記憶や記憶を操作して、イメージを作り出すこともできます。

サッカーでは、とても大切で、自分が過去にどんなプレーをした結果、どうなったかを思い出しながら、今何をするべきかということを選択していくことが大切になります。

実行機能の発達については、もう少し専門書を探してみたいと思いました。

 

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第17章 青年期の社会的,情動的発達

青年期のコミュニケーション

青年期の特徴として、同性の友達同士との関係がとても大切になってくることがわかりました。自己開示などの相談事も友達同士で行うことが増えるため、心の安定にもつながることがわかりました。

特に今は、一緒にゲームをすることが、オンラインで離れていても出来るため、一緒に楽しむことが多いようです。

中学生の会話を聞いていても、テレビ番組よりもYoutubeの話が多いのは、時代を感じるなぁと思いました。

 

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感想

発達心理学ガイドブックを読んできて、感じたことは、子供の成長を促すために大切なことは、いかに、子供達が自分で考えて行動できるような環境にすることができるかが大切になると感じました。

結局、子供自身の実行機能を育んでいくためには、子供自身で考え、抑制するなり、自己主張するなり、行っていくことが必要になってきます。

その中で、時に辛い経験や嬉しい経験、失敗経験を交えながら、考え、改善していく以外の道はないのではないかと感じました。

もっと実行機能については詳しく調べたいと思いますが、サッカーを通じて大切なことを子供達が学べるように努力していきたいと思いました。