第10章 社会性・道徳性の発達
表情から読み取る力
乳児期であっても、人の顔や目を見て、感情を読み取っていることにはとても驚きました。
生後3ヶ月の子は、養育者が不機嫌そうな顔をしているとき、自分から養育者と接しようとはせずに目を逸らしたりします。
より年長になると、養育者が不機嫌そうな時は、自分から微笑んだり働きかけをするようになります。
生後8ヶ月ごろになると、知らない人と会う時は、人見知り行動を起こし、泣いたり、不安な表情を見せます。これは、記憶力の発達により、このようなことが可能になったと言えます。
人の表情から感情を読み取るのは、人間がそもそも備わっているものということで、子供達の前では、いつも明るいコーチでいることが、子供達が安心してサッカーを楽しめるコツでもあるという事を感じました。
誤信念課題について
誤信念という他人が思っている考えや信念を想像できるようになるのは4歳から5歳以降で、3歳までの子は、自分が考えていることや思っていることは、他人も同じように考えていると思っています。
誤信念は、個人的に思ったのは、自分が経験してもいない考えや信念を、他人がどう考えているかということを想像するのは難しいのではないかと思いました。
スクールの子も最初は、ルールを破ってでも勝ちたいと思っていた子が、ルールを破られて嫌な気持ちをした経験を元に、ルールを守るということを覚えていく傾向にあると思います。
他人の考えや信念を理解するためには、自分が様々な経験を積み重ね、様々な感情を経験することが大切なのではないかと感じました。
エリクソンの発達課題でも自主性を持てば、恥と罪悪感という感情を感じることがあるように、サッカーを楽しむためには、ルールを守ることやコミュニケーションを取ること、サッカーが上達する事などを経て、様々な自己主張と自己抑制を繰り返し、社会性に影響がある実行機能を鍛えていくことが大切だと感じました。
道徳性の3つの成長段階
道徳性については、大きく3段階の成長があるというのはとても面白いと思いました。①その行為自体に自分が損をしているか得をしているかを考える。
②その行為に対して、他人がどう思うか、他人の視線を経て考える。
③社会的、倫理的に良いことであるかを基準に考える。
これらの段階は、強い弱いはあるものの順番が入れ替わることはないみたいです。
①から③へ順番に上がっていきます。
個人的には、この道徳性というのは、生涯に渡ってのテーマだと感じていて、自分も③の段階まで成長し社会に貢献できるような人になる必要があると同時に、子供達が③の段階まで押し上げる影響を与えれるようになるためには、様々な成功体験や失敗を乗り越えていく経験、発達課題のバランスを調節することで、勇気を身に着けられる環境を整えていく必要があると感じました。
第11章 遊び・仲間関係
遊びの定義
遊びは、自発性、自己完結性、自己報酬制、自己活動性の4つが必要になります。
自発性は、誰かにやらされるのではなく、自分で考え行動したものです。
自己完結性は、それ自体をやることが目的となっていることです。
自己報酬制は、それをやること自体が楽しく、内発的な動機付けが促されることです。
自己活動性は、子供が考え、行動することで活動が進んでいくことです。
ルスデランパラサッカースクールが目指すスクールは
「公園に行くように通えるサッカースクール」
を目指しているので、遊びの要素はとても大切になってきます。
初級コースでは、遊びが6割、競技が4割と考えていますのですが、この遊びの要素をほとんど網羅していると感じました。
もちろん、子供達には、サッカーをうまくもなってほしいので、トレーニングメニューは、コーチで考えていますが、自発性に関しても、休みたいときは休んでいいし、お茶を飲みたいときは飲んでねと伝えてあります。
遊びの重要性は肌で感じていました。
遊びの重要性
遊びにはさまざまな種類がありますが、中でも子供達同士で行う遊びには、コミュニケーションに必要なスキルが詰め込んであります。
エリクソンの発達課題である自己主張と自己抑制、自主性と罪悪感をバランスよく経験する事。
また、三ツ山問題でもあるように、他者の気持ちを理解できるようにならなければ喧嘩やいざこざが起きます。
カテゴリーの理解でも、年齢や性別など言葉遣いや態度などを考えながら接していきます。これは、スクールの中でが他学年の子と接しているので、上の学年の子を見て学んだり、下の学年の子に教えたり、喧嘩を取り持ったりという事があるので感じている部分はあるみたいです。
そして、練習を重ねることで、子供達自身でもルールを考えながら、トレーニングを進めていくので社会的な規則の重要性やそれぞれの役割などの大切さを身に着けます。
これらを円滑に進めるためにコミュニケーション能力は必然的についていきます。
トラブルがあった時の行動手順
いざ、トラブルがあった時の対処法は
①出来事を知覚する
②何が起きたか考える
③自分がどうしたいのか考える
④自分の対処方法のレパートリーを思い起こす
⑤何をするか決める
⑥行動に起こす
これによって解決していき、経験を積み重ねていくのですが
トラブルを解決できないということはこれらのどこかがうまくいっていないという事です。
これはとても指導する上での指針になると思いました。
サッカーでも
認知⇒判断⇒実行
ということがありますが
これおんなじ考え方だと思いました。
しかし子供の行動も同じように考えることはできるとは驚きでした。
特に問題を解決できなくて、悩んでいるという事は、何らかの要因で実行できないということですので、そこを考えるのも指導者の役目だと思いました。
www.luzdelamparasoccerschoolblog.com
www.luzdelamparasoccerschoolblog.com