ルスデランパラサッカースクールの日常

子供達がサッカーを好きになる方法はこちらです。

 
池上正さんの本書を初めて読んだのは、僕が、サッカーコーチになってまだ間もないときでした。
 
 
 
サッカーコーチになって初めて読んだ本とも言えます。
 
 
右も左もわからない僕の指針となったのが池上正さんでした。とても参考になったのでご紹介します。
 
 
○叱らずに、問いかける指導
 
 
池上正さんの指導はまさにこの指導です。叱らずに子供たちを信じてみること。
 
 
いつもそこからスタートします。
 
子どもが自立していくことを信じ、いつでも助けれる準備や言葉を持っておくことが大切だと強く感じました。
 
 
最初からうまくいくはずがありません。他のコーチからも「甘いんじゃない?」と言われたこともありました。
 
 
僕は、子どもたちがサッカーをやらされるのではなく、自分から好きでサッカーがうまくなっていく姿を見たいと心から願っています。
 
 
 
僕が小学生のとき、AチームとBチームがありました。最初Aチームの副キャプテンでしたが、ある日Bチームに落とされました。悔しくて泣きました。絶対にAチームに上がってやる!と最初は考えていましたが、次第にBチームのみんなでAチームに勝ってみたいなと思うようになりました。Bチームのコーチもやさしくてサッカーが今まで以上に好きになり、午前中の練習が終わった後も、ごはんを食べてからBチームのみんなで集まって練習しました。結局Aチームに勝つことができずにAチームに戻ってしまいましたが、正直、Bチームのままのほうがよかったなと思っていたのを今でも覚えています。
 
 
 
大切なのは自分から取り組めているかどうか。
 
 
 
本書からは、子供がサッカーを好きになるためにコーチや保護者ができることを11の魔法と題して、池上正さんの経験談が語っています。
 
 
特に、「魔法4 気づかせる」は、子供がサッカーを好きになることや自立することの鍵を担っていると思いました。指導者として、子供を見ていることはもちろんですが、自分とも向き合わなければいけないとも思わされました。
 
 
 
「魔法4 気づかせる」部分に関連して、スクールでの過去にあった出来事を紹介します。
 
 
A君はサッカーがあまりうまくなく自己主張をあまりしない子でした。数人の子にはお前とチームは嫌だ!と言われたりしていました。A君は黙々と練習する子でした。僕があるとき、みんなの前で「誰でもサッカーは失敗するんだから、人が失敗したことを怒ってはいけないよ」という話をしたことがありました。その次の練習に、「なにやってんだ!」って友達に言われたときにA君は「お前も失敗するだろ!!」と大きな声で言いかえしました。僕も驚きましたが、言われた本人もびっくりして「しっしねぇし」とかろうじて返すだけでした。それからA君は誰とでも自信をもって練習に加わり、それからどんどんと成長していきました。
 
 
 
自分でこの状況を解決することを考えて行動したことが「お前も失敗するだろ!!」と言い返すことだったのでしょう。
 
 
A君の勇気ある行動や自分で気づいき、成長した瞬間を見ることができて、とても感動しました。子供たちの柔軟なチャレンジ精神には、いつも驚かされてばかりです。
 
 
 
この本を読んでいなければ、子供たちの成長の機会を奪って、ただたんに叱って、サッカーをやらせる指導になっていたでしょう。
 
 
 
子供たちの可能性を信じ、長い目で成長を見守っていくことがこの本で学んだことです。