ルスデランパラサッカースクールの日常

この本は、日本のサッカー指導の誤りを教えてくれます。

「スペイン流サッカーライセンス講座」を読んで学んだこと

 

○スペイン流指導との出会い

 

育成大国スペインでは、どのような育成が行われているのでしょうか。

育成大国と呼ばれる所以は、数々のスーパープレーヤーを生み出していることに注目されがちですが、極端に下手な子がいないという点がもっとも重用であり、サッカー文化を築き上げる中でも大切なのではないかと思いました。その秘密は、なんなのか。ルスデランパラサッカースクールを立ち上げるときに、どうして毎回10-0も20-0も差が開いてしまうことがあるのか。子どもたちが本当に楽しむことが出来ているのかという疑問を持ちました。この本を読めばなにか手がかりがつかめるかもしれないと思ったのがきっかけです。

 

○「観ること」の重要性

 

題名の通り、スペイン流サッカーライセンス講座というだけあって、スペイン育成の哲学がみっちり書かれていました。

指導方法はもちろん、練習メニューや指導者の心構えなど、自分を見つめ直すきっかけを与えてくれました。それだけでなく、バルセロナのテクニカルディレクターやエスパニョールの育成部長(他4名)などサッカーに携わるスペインの大御所たちの独占インタビューが書かれていました。もちろんテーマは、育成についてです。更に日本の子供たちについても熱く語ってくれました。

個人的に一番この本を読んで面白かったのは、育成で、技術練習については細かく触れていないことでした。当時とても衝撃でした。当然、技術の大切さはインタビューの中でも誰もが語ります。それは当たり前として、大切な判断スピードやプレーしながら周りを見れているかどうかということの重要性を長々と語ります。

本書でも「このコンセプトについて厳しく要求することは未来への投資となる」と語っています。このコンセプトとは言うまでも無く「観る」事についてです。観ることについても3つのパターンに分けられて解説しています。

ここに日本の育成の落とし穴があったのではないかと思いました。

更にゴールの決め方を理論的に解説してます。

ゴールの決め方というとシュートを打つイメージだと思いますが、もっと根本的なところからです。サッカーがどういう流れに沿って動いているのか。どのように組み立てればゴールへと近づけるのかなどパターンに分けてキーポイントを取り上げながら解説します。

 

○指導者としてのスタートライン

 

プレイヤーとしてはわかりえなかったことを指導者になって気づくことが出来ました。プレイヤーでは、11人の1人としてその場で一生懸命サッカーをしていただけだったのに比べ、指導者は、サッカーを客観的に見る必要があります。サッカーの原理原則や成り立ちを理解し、子供一人ひとりが何を見て、何を考えているのかを考えなければなりません。そのためにサッカーの原理原則を理解することは必須事項になります。この本と出合って、ようやく指導者のスタートラインに立つことができたと思いました。この本は、自分がサッカーについて指導者について迷ったときの原点に返れるようにいつも読み返している本の一つです。

 

「スペイン流サッカーライセンス講座」はこちら