ルスデランパラサッカースクールの日常

⑩ベーシック発達心理学を読んで学んだこと

「ベーシック発達心理学」を読んでみました。

 

読む前に注目したこと

・子供が大人になるについてどのように心の変化があるのか理解したい

・年代によって安心感の与え方や信頼関係の築き方を学びたい

はじめに

内容

発達心理学には二つの側面があります。

・科学的基礎

・実践

です。

現代の変化の早い、激動の時代に生きる私たちにとって

 

実践的な発達心理学を使えるようになることを

 

指導者や保育士の方は望んでいると思います。

 

ITや情報社会でどのような心理が動いていくのか。

 

実践的に理解して応用できなければただの知識で終わってしまいます。

 

しかし、何も基礎や基盤がなく心理学を実践しようと思っても

 

うまくいくはずがありません。

 

しっかりとした科学的基礎を元に実践に生かしていくことが

 

大切になります。

思ったこと

この章を読んだ時に、まさに自分が求めていたことが書かれているのではないか

 

と感じました。

 

子供達と接する中で、同じ子と3年も4年も付き合うようになってくると

 

子供の心理的な変化には驚くことも多々あります。

 

思春期に近づくことで、自分の存在を認めてほしい。

 

同じような仲間と一緒にいること。

 

恥ずかしい思いをしたくない。

 

など、感覚的には、心理的な変化に気付いていました。

 

この本を読むことで、科学的な基盤を理解することで

 

現代の子供達、特にフォートナイトや鬼滅の刃など

 

僕が子供の頃では触れることのなかった

 

ある意味、グロテスクというかシリアスなものに触れる機会が多い

 

子供達に実践的に応用できる発達心理学を学びたいと思いました。

第1部 発達のとらえ方

第1章 発達心理学とは

ヴィゴツキーの発達理論とスクール生を見比べました

ヴィゴツキーの発達理論は、とても面白いと思いました。確かにスクールの中でも子供達はまずルールを覚えます。

ルールからはみ出した行動を取ると周りと喧嘩になり、楽しむ事が出来ないためルールを守れるように自分を制御していることになります。

その中で、自分をうまくコントロールできるようになるとどうすれば、もっとサッカーを楽しめるか自分で行動し始めています。

例えば、試合中にボールが出てどちらのボールかわからない時にじゃんけんで決めていたのを

じゃんけんする時間がもったいない!

と言い

そっちのボールでいいから始めて!

と言い出しました。

 これは意志を持って意図的に行動を起こしたという事になります。

 今日人から助けられてできることは明日自力できるようになる

 この言葉はとても指導者にとって勇気がでるというか指針になる言葉だと思いました。

 助けられるようになるためにも助けられる準備をしておくことが必要だと思いました。

 

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第2章 遺伝と環境

遺伝か環境か

学習・・・経験や環境によって変化する

成熟・・・遺伝的要因によって変化する

この二つの違いによって過去には、遺伝か環境かどちらが影響しているのか

という議論が絶えなかったのですが今は、相互的に作用しているという考え方が一般的です。

環境優位説の例

環境によって影響をもたらすのはおおかみに育てられた子供という話があり

おおかみに育てられた子供はまるでおおかみのように生活していたので9年間、人間としての生活ができるようにシング牧師らが育てたのですが少しの言葉を話せるようになってりおぼつかない足取りで、2足歩行できるようになったものの限界を感じ、断念ししまいました。

成熟優位説の例

成熟優位説については同じ環境で育った一卵性双生児に階段のぼりがどちらが早くのぼれるようになるか研究しました。

Aには、Bよりも早い時期から階段をのぼるれんしゅうを始めBは、その後1週間後に訓練をスタートしました。

始めはAの方が早かったのですがその後Bが3倍近くも早くのぼれるようになりました。

階段のぼりだけではなく、積み木や遊びの持続、物の記憶なども同じような結果でした。

環境と成熟の相互作用については、環境要因は、乳児期がもっとも影響を及ぼしやすく

年齢が上がるにつれて横ばいになります。 

遺伝的要因は、年齢が上がるにつれて、影響を及ぼしていくみたいです。

出来る子は、出来る環境へ

出来る子は、出来る環境に身を置き、さらに出来るようになっていくということがあるようです。

遺伝的要因をスクールの中で考えても仕方ないと思ったので、如何に、環境を整えて

その子の遺伝子を100%生かしやすい環境にするか、そこが大切だと感じました。

個性を大切にしよう 

みたいなことを少年サッカーの本では良く書かれていますが、これはいわゆる

個々の遺伝子の特徴が発揮できるような環境や指導を心掛けよう

ということだったのだと思いました。 

スクールでは、出来るようになった子がカテゴリーをあげて環境を変えられるようになっているので、この部分については、出来る子はもっと出来るようになっていく

ということが当てはまるのではないかと思いました。

 

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第3章 生涯発達の視点

就巣性と離巣性

鳥類には、就巣性と離巣性があります、

就巣性は、生まれた後に巣で、生活する性質で離巣性は、生まれた後に、巣から出て生活する性質です。 

離巣性の鳥は、生まれるまでの期間が長く生まれる前に、すぐに巣から出られるよう体が出来上がってから生まれます。

就巣性の鳥は、生まれるまでの期間が短く生まれてから親の世話なしには生きていけません。 

人間は元々離巣性だったと考えられますが就巣性に変化していったと考えられています。

理由は二つあり脳の巨大化と直立二足歩行による骨盤の変化です。

これにより、出産時に産道を通ることが出来なくなった赤ちゃんは体が出来上がる前に、早めに出産することで、問題を解決してきました。 

これにより、就巣性となった人間の赤ちゃんは、母親の世話なしには生きていけなくなりました。

発達課題

精神医学者フロイトは、リビドーという性的な心的エネルギーが存在し、リビドーがどこに注意を向いているかに着目し、心理的現象を理解しようとしました。

リビドーを人間の発達に応用することで、人間の発達段階を理解しようとしました。

フロイトフロイトの娘に師事した、エリクソンは、心理社会的発達段階論を提唱し、

人間が生まれてから死ぬまでのライフサイクルで、経験する葛藤を繰り返していくものだ、と社会的心理危機と呼び、発達段階ごとに分けました。

アメリカの教育学者ハヴィガーストは、「生きることは学ぶこと、成長することは学ぶこと」と言い、発達課題を提唱しました

ライフサイクルを6つに分け、それぞれに6~10個の発達課題を唱えました。

現代人にこの発達段階が全て当てはまるのか、検討の余地はあるが、課題が生じる要因としては以下の3つがあげられます。

①身体の成熟

②社会の文化の圧力

③個人の私的な価値観や志望(動機)、人格、自己の一部

 

初級と中級の発達段階の違い

発達段階や発達課題という概念は、指導者としてとても指標になる概念だと思いました。

リビドーについても、目に見えるものではないけど、確かに、子供達の中には、年代年代によって、興味や関心、欲求などが違うことは、肌で感じるものがあります。

初級コースにいる子たちは、サッカーを誰とやるかというよりも、どうやって楽しむかということを考えているように感じ、そのために対戦相手を選んだり、好きなトレーニングや嫌いなトレーニングがはっきりと出ます。

中級コースの子供達を見ていると、どうやって楽しむか、というよりも、誰とやるか、ということが大切になってくるような印象があります。

サッカーを楽しむためには、まず友達作りからということで、気心の知れた友達と一緒にサッカーをやることで、サッカーを楽しめるという印象です。

発達課題で思ったこと

エリクソンの発達課題では、6歳~12歳で中期児童期、という風にまとめて9個あげられていますが、ルスデランパラサッカースクールは、初級と中級と上級コースに分けられて、練習生とFC生というカテゴリーにも分けているので、その中での心理的な変化にも注目してみると、指導がやりやすいと感じました。

サッカーの技術面というよりも、心理面の成長もカテゴリー分けの基準に考えていけたらと思いました。

 

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第2部 乳幼児期の発達をくわしく知る

第4章 胎児期・周産期

新生児の運動

新生児期の運動の特徴として原始反射と随意運動があります。

原始反射は、胎児期から新生児期にかけて観察される運動のうち、生後数週間で消失するものか、随意運動などに置き換わるものです。

随意運動は、自らの意思に基づく運動を指します。

原始反射のうち、随意運動に置き換わるものは、把握反射と歩行反射があげられます。

把握反射は、手のひらに刺激を与えられると、指を閉じて握ろうとすることを言います。生後しばらくは固定的ですが、徐々に把握するものに応じて掴み方を変えることが出来るようになります。

歩行反射は、生後早期の乳児に立った姿勢をさせた状態で足の裏を平らな床に触れさせると、一方の足を一歩前に出すような反応を見せ、さらに身体を前に押し出すと、足を交互に動かしていきます。

このような自発運動に流暢性や多様性が乏しい子は、その後の脳性麻痺や認知発達の遅れを示す場合があります。

原始反射と随意運動についての疑問点

新生児期の子供に原始反射の経験をさせてあげることが、運動機能のその後の発達に関わってくるのかについて疑問に思いました。

身体能力は遺伝的なものが大きく影響するかもしれませんが、環境要因として、身体能力、特に運動機能の発達を促すことが出来たら、新生児期にも何かできることがあるのではないかと考えました。

第5章 感覚・運動の発達

運動機能を発達させるために

運動機能の発達について、細かく書かれていました。

運動機能の発達が段階的なものということが面白かったです。

もちろん個人差はありますし、立ち上がってからハイハイするといったこともありますが、基本的には、頭から足、中枢から末端、大きい動きから細かい動きのような段階で発達していきます。

 

このことからも、特に新生児や乳児には行っている行動を無理に止めるようなことはしない方がいいと思いました。

例えば、新生児期に起きる、足の指先を舐めるという行動をするのは、乳児にとっては体の把握をするために必要な行動であるのですが、成人からしたらあまりしない行動です。これらを誤って止めさせてしまうと、必要な過程を経験できずに成長してしまいます。

 

また、発達段階の成長は動機付けにも影響するみたいです。

周りからの応援を受けて一生懸命ハイハイしたり、立ち上がろうとする姿を想像するととてもかわいいと感じました。

 粗大運動の重要性

粗大運動の機能が発達していると、様々な動作が可能になり、必要な動作を選べる能力も身に付くみたいです。

粗大運動の機能を発達させることがサッカーにおいてとても必要になってくるように感じました。

音に合わせたダンスなどを行うことにより様々な運動を行うことで、粗大運動の発達を促せます。

粗大運動には、運動機能だけ高めればよいというわけではなく、感覚的な予測も必要になってきます。

例えば、このまま歩いたら棒にぶつかるということを予測できなければ、よけることはできないので、よけるという粗大運動も出来なくなります。

この点がとても面白くて、サッカーのドリブルの技術がうまくても、相手がどのように動いてくるのか予想できなければ、ドリブルの技術を使えないという事になります。

逆に予測が出来れば、どのようにドリブルをすればいいのか技術を磨きやすくなると考えいます。

微細運動について

微細運動は、細かな運動の事で、箸を持つことやハサミを使うことがあげられます。

手の使い方を覚える最適な時期は5歳ごろから小学校低学年ということで、5歳よりも早ければ、運動機能が発達していないために、習得できず、小学校高学年で正しい箸などの使い方を覚えようと思うとしばらくは意識して持たなければ、治らないみたいです。

この点、祖母に丁度年長さんごろに

「ちゃんと箸を持てないと大人になって恥ずかしいからねぇ」

と一緒にご飯を食べるたびに言われたわけですが

その時は、よく意味も分からずにとりあえず正しい箸の持ち方をできるように食べてた覚えがありますが、今となっては正しい箸の持ち方で、豆とか小さい者でも簡単に箸で掴めるので、祖母にはとても感謝しています。

ハサミを使うことも、様々な運動機能を使っているみたいで、発達段階の奥の深さに驚きました。

子供達にはサッカーに必要な粗大運動の習得と同時に、粗大運動を行うために予測できる経験値を積ませれるようにすることが必要だと感じました。

第6章 愛着の発達

主体性に必要不可欠な愛着行動

初めてスクールに来るほとんどの子は、不安そうに思いながら母親にくっついてくるわけですが、ここには愛着行動があるということです。

愛着行動は、自律的な行動の柱になるということは、以前からもうすうす感じてはいたのですが、この章を読むことで確信に変わりました。

愛着行動の基本的な段階を3段階に分け、3歳で基本的な愛着行動は3段階目に突入します。

ここまで読んで個人的には

3歳で生涯、自律的に行動できるかが決まっちゃうの!?

と恐ろしく思ったのですが

その後の愛着経験も大切になるということなので安心しました。

簡単に説明すると

誰でもいいからとにかく愛着を示す⇒母親など、特に親しい人に愛着を示す⇒初めて会う人には不安感を覚える人見知り行動を示す

という3段階です。

スクールでは、3段階目に入ったときから子供たちと接するわけなので

まずは、養育者として認められ、愛着行動を示してもらえるまで、安心感を与えることが必要だと感じました。

愛着行動を行ってきたときに、適切に対応することで子供たちは安定感を得るとともに、自律的な行動を行えるようになります。

よく練習中にコーチに話しかけてきたりすることは、一種の愛着行動であり

確かにそこで

「練習中だからおしゃべりしてないで練習しなさい!」

というよりも

気の向くままに会話してから練習に参加していったほうが、集中して練習しているように感じます。

これは、安心感を覚え、自律的に行動したということだともいました。

愛着行動の重要性

一番面白いと思ったのは

保育園⇒小学校

という風に基本的に上がっていくわけですが

小学校での愛着行動の見せ方は

家庭環境の影響よりも

保育園での愛着行動の養育者による対応に大きく影響することが

とても面白いと思いました。

ルスデランパラサッカースクールでも、子供と接するうえでコーチとしての養育者というわけですから

愛着行動をしっかりと受け止めることでその後の子供たちの自律的な行動へと繋がってくということがわかります。

特に、ルスデランパラサッカースクールの環境は

社会人としての環境と似ている環境にあると思います。

一緒にサッカーを行うということで

共通のルールがあり、これを守らなければ楽しくサッカーが出来ません。

ここでコーチは、子供たちからの愛着行動をしっかりと受け止めて、自律的な行動へと促していくことが一つの役割だと感じました。

 

第7章 自己と感情の発達

自律性と恥や疑惑

幼児期には、自律性が生まれてくる一方で、恥や疑惑といった感情も経験します。

エリクソンの発達課題で、この両方をバランスよく経験することが大切であるという事ですが、例えば、トイレに幼児が一人で行くという自律性を示したときに、トイレが上手にできなかったということが起きたとします。

この時に、養育者としては重要な役割を担っていて、上手にできなかったときに恥ずかしいという感情が芽生えます。

恥ずかしいという感情は、自己意識によって現れる感情で、二次的感情に入るのですが、幼児期は自己意識が芽生えるため、恥や疑惑などの感情も芽生えます。

この時に、養育者がトイレを上手にできなかった幼児に対して叱ってしまったり、サポートしてあげないと、恥ずかしいという感情が強くなります。

自律性は、とても大切なことですが、自律性によってうまくできなかったときに養育者の援助が大切になります。

重要なのはどちらとも経験することですが、恥と疑惑の感情が強くなりすぎると、幼児の自律性が失われてしまいます。

自律性、自主性、主体性

自律性は、今まで母親や養育者に手伝ってもらったことが自分ひとりで行うようになることを指します。

自主性は、子供に興味が芽生え、様々なことに自ら進んで行動する事を指します。

この時に、独り言やごっこ遊びなど、様々なことを始めるのですが、養育者としては、子供の興味に対して、否定的に止めるようなことをすると、自主的な行動や他の事に興味を持つことをやめてしまいます。

自主的な行動を覚える子供は、社会的に問題な行動を起こしてしまう場合があります。この時に注意をされることで、罪悪感という感情が芽生えます。

罪悪感も二次的感情であり、自主性と罪悪感の両方をバランスよく経験することが大切になります。

この時に、ルールや禁止、罰などを与えすぎると自主性が損なわれてしまいます。

主体性は、子供が外部に働きかけるようになることを指します。

養育者が愛着行動をしっかりと受け止めている場合に主体性は行われるのですが、この時に、子供自らやろうとしていることを先回りして手助けすることで主体性を損なってしまう場合があります。

子供ができることとできないことを見極め、出来ることは見守り、出来ないことは援助するということが大切です。

自尊心を育むことがとても大切になってきます。

幼児期と児童期の特徴

幼児期の子供は、基本的に肯定的で、どんどんチャレンジしていきます。

他人と比較するのではなく、過去の自分よりも出来ていることを自覚していきます。

児童期になると、他者との比較によって自尊心が下がっていく傾向にあります。

ここで分かるのは、スクールにいる子に対して、他者と比べるのではなく、過去の自分と比較することで幼児期の頃のように自尊心を安定して育むことができるとわかります。

幼児期では、自己主張と自己抑制の両天秤をバランスよく育む必要があります。

自己主張を最初に始め、自己抑制が場合によっては必要となり、これらの事を経験します。

自己抑制の発達ポイント

自己抑制の発達は、養育者との関わりが大切になります。

説明的しつけにより、なぜこれをしてはいけないのかという、説明をしっかりすることで、自己抑制が育まれます。

また、自己抑制をすることを実行機能というのですが、実行機能には、抑制機能、切り替え、更新などがあります、

幼児期の実行機能を発達することは、その後の学力や社会性などに影響があることが報告されています。

幼児期や児童期は、実行機能の発達を促すことがコーチとしての一つの課題になりそうです。

抑制機能は、今はやるべきでないことをやらないということであり

切り替えは、今やっていることと違うことをやる時にスムーズに切り替えることであり

更新は、今覚えていることから違うことを覚えて上書きすることです。

子供達がルールを守ることや違うトレーニングをすること。

サッカーのプレー中に相手がどこにいて、味方がどこにいるのか、常に更新していくことなど、サッカーには実行機能を育む環境が備わっていますが、もっと他にも意図的に育めるような環境づくりを考えていきたいと思いました。

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第8章 認知の発達

知覚と認知の違い

知覚と認知の違いについてとても面白いと思いました。

知覚は、外界から得た感覚を知ること

認知は、知覚したことを認めること

を表します。

知覚したものを認めるために重要なことが

シェマという入れ物に入れることで認知したことになります。

シェマは複数あり、知覚した事柄と近しいシェマに入るように、知覚の形を変えて入れるのですが

知覚した事柄が、シェマとはかけ離れていたり、知覚の回数が何度も繰り返されると、シェマは変形し、入るようになります。

認知は、学習と同じ意味なのではないかと個人的には感じました。

インサイドキックのやり方を今までのやり方と別のやり方でやるように教えたとして、今までのやり方(シェマ)を変えれるように何度も繰り返す(知覚)ことで、新しいインサイドキックのやり方(シェマ)を身に着けます。このインサイドキックの蹴り方が近ければ容易に習得できるという事です。

年齢による認知能力の違い

認知の事に関しては、三ツ山問題がとても面白いと思いました。

7歳以降の子は、違う場所で見ているという認識はあっても、その山をイメージすることが出来ず、8歳から9歳ごろで、違う山のイメージが出来るようになってきます。

4歳から5歳までは自己中心性により、自分が考えていること、感じていることを中心に物事を判断しますので、トレーニングメニューの説明を行う時も、実際に行う事実を全部見せて説明しなければ、「もし仮に」ということを想像できないので、そういうトレーニングを選ばない工夫が必要だと感じました。

7歳以降は、「もし仮に」ということが理解はできますが想像は出来ないため、その都度教えていく必要があると感じました。

確かに学年が上がるにつれて

「こういうときどうするの?」

という質問が多くなってくるのを感じます。

第9章 言語の発達

言語の発達が早い子の特徴

言語の発達の中で思ったことは、個人差の影響が周りの環境に大きく影響することが面白いと思いました。

主に影響するのは、本人の認知力、周りが話す言葉や絵本による影響により、言語をより早く、より多く覚え、発することが出来るかに影響するみたいです。

認知の観点から行けば、子供がたくさんの経験を積み、知覚による影響を増やし、シェマに同化、調節して均衡状態を保っていったかによって認知力が増えるため、たくさんの経験を積むことが大切だと感じました。

サッカーの経験を多く積めば、それだけの知覚を受けるわけですから、必然的にサッカーの認知力は上がると考えられます。

絵本について、個人的にもスクールの子供達と話していて心当たりがあるのですが、子供が「ウォーリーを探せ」とかそういう本であったとしても、本の話をしてくる子供は、お話の語彙が豊富というか、ユニークな印象を受けます。コーチとしても、子供言葉に合わせて「めっちゃ」とか「すげぇ○○だよね」とか言いがちですが、「とても」とか「すごい上手だよね」という丁寧な言葉遣いを心掛けるようにしたいと思いました。

サッカー上達について

他学年の子を教える中で、感じていたことは、例えば、1年生と3年生が同じ時期に初級コースに入ってきたとして、サッカーのドリブルだとかパスの技術が上達するスピードは、そんなに大差はないと感じでいました。

もちろん、おんなじ程度の練習量であればですが。

しかし、大きく差が出るのは、説明を理解する力が違うなと感じていました。

学年が違えば知っている語彙の数も違うので、説明するときは、低学年になればなるほど、言葉をゆっくり丁寧に、実際にお手本を見せながら教える傾向にあります。

今は、初級・中級・上級・FC練習生・FCという5カテゴリーですが、もう少し細かくカテゴリーを分けることで、より子供達の語彙力にあった指導でわけられると感じました。

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第10章 社会性・道徳性の発達

表情から読み取る力

乳児期であっても、人の顔や目を見て、感情を読み取っていることにはとても驚きました。

生後3ヶ月の子は、養育者が不機嫌そうな顔をしているとき、自分から養育者と接しようとはせずに目を逸らしたりします。

より年長になると、養育者が不機嫌そうな時は、自分から微笑んだり働きかけをするようになります。

生後8ヶ月ごろになると、知らない人と会う時は、人見知り行動を起こし、泣いたり、不安な表情を見せます。これは、記憶力の発達により、このようなことが可能になったと言えます。

人の表情から感情を読み取るのは、人間がそもそも備わっているものということで、子供達の前では、いつも明るいコーチでいることが、子供達が安心してサッカーを楽しめるコツでもあるという事を感じました。

誤信念課題について

誤信念という他人が思っている考えや信念を想像できるようになるのは4歳から5歳以降で、3歳までの子は、自分が考えていることや思っていることは、他人も同じように考えていると思っています。

誤信念は、個人的に思ったのは、自分が経験してもいない考えや信念を、他人がどう考えているかということを想像するのは難しいのではないかと思いました。

スクールの子も最初は、ルールを破ってでも勝ちたいと思っていた子が、ルールを破られて嫌な気持ちをした経験を元に、ルールを守るということを覚えていく傾向にあると思います。

他人の考えや信念を理解するためには、自分が様々な経験を積み重ね、様々な感情を経験することが大切なのではないかと感じました。

エリクソンの発達課題でも自主性を持てば、恥と罪悪感という感情を感じることがあるように、サッカーを楽しむためには、ルールを守ることやコミュニケーションを取ること、サッカーが上達する事などを経て、様々な自己主張と自己抑制を繰り返し、社会性に影響がある実行機能を鍛えていくことが大切だと感じました。

 道徳性の3つの成長段階

道徳性については、大きく3段階の成長があるというのはとても面白いと思いました。①その行為自体に自分が損をしているか得をしているかを考える。

②その行為に対して、他人がどう思うか、他人の視線を経て考える。

③社会的、倫理的に良いことであるかを基準に考える。

これらの段階は、強い弱いはあるものの順番が入れ替わることはないみたいです。

①から③へ順番に上がっていきます。

個人的には、この道徳性というのは、生涯に渡ってのテーマだと感じていて、自分も③の段階まで成長し社会に貢献できるような人になる必要があると同時に、子供達が③の段階まで押し上げる影響を与えれるようになるためには、様々な成功体験や失敗を乗り越えていく経験、発達課題のバランスを調節することで、勇気を身に着けられる環境を整えていく必要があると感じました。

第11章 遊び・仲間関係

遊びの定義

遊びは、自発性、自己完結性、自己報酬制、自己活動性の4つが必要になります。

自発性は、誰かにやらされるのではなく、自分で考え行動したものです。

自己完結性は、それ自体をやることが目的となっていることです。

自己報酬制は、それをやること自体が楽しく、内発的な動機付けが促されることです。

自己活動性は、子供が考え、行動することで活動が進んでいくことです。

ルスデランパラサッカースクールが目指すスクールは

「公園に行くように通えるサッカースクール」

を目指しているので、遊びの要素はとても大切になってきます。

初級コースでは、遊びが6割、競技が4割と考えていますのですが、この遊びの要素をほとんど網羅していると感じました。

もちろん、子供達には、サッカーをうまくもなってほしいので、トレーニングメニューは、コーチで考えていますが、自発性に関しても、休みたいときは休んでいいし、お茶を飲みたいときは飲んでねと伝えてあります。

遊びの重要性は肌で感じていました。

遊びの重要性

遊びにはさまざまな種類がありますが、中でも子供達同士で行う遊びには、コミュニケーションに必要なスキルが詰め込んであります。

エリクソンの発達課題である自己主張と自己抑制、自主性と罪悪感をバランスよく経験する事。

また、三ツ山問題でもあるように、他者の気持ちを理解できるようにならなければ喧嘩やいざこざが起きます。

カテゴリーの理解でも、年齢や性別など言葉遣いや態度などを考えながら接していきます。これは、スクールの中でが他学年の子と接しているので、上の学年の子を見て学んだり、下の学年の子に教えたり、喧嘩を取り持ったりという事があるので感じている部分はあるみたいです。

そして、練習を重ねることで、子供達自身でもルールを考えながら、トレーニングを進めていくので社会的な規則の重要性やそれぞれの役割などの大切さを身に着けます。

これらを円滑に進めるためにコミュニケーション能力は必然的についていきます。

トラブルがあった時の行動手順

いざ、トラブルがあった時の対処法は

①出来事を知覚する

②何が起きたか考える

③自分がどうしたいのか考える

④自分の対処方法のレパートリーを思い起こす

⑤何をするか決める

⑥行動に起こす

これによって解決していき、経験を積み重ねていくのですが

トラブルを解決できないということはこれらのどこかがうまくいっていないという事です。

これはとても指導する上での指針になると思いました。

サッカーでも

認知⇒判断⇒実行

ということがありますが

これおんなじ考え方だと思いました。

しかし子供の行動も同じように考えることはできるとは驚きでした。

特に問題を解決できなくて、悩んでいるという事は、何らかの要因で実行できないということですので、そこを考えるのも指導者の役目だと思いました。

 

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第3部 発達を支える

第12章 学習の理論

学習には大きく分けて2種類あります

この章には大きく2つの指導方法に分類される思いました。

一つは外発的動機付けによるアプローチ。

もう一つは内発的動機付けによるアプローチ。

外発的動機付け

読んでいて思ったのは即効性にがあるのは、外発的動機付けによるアプローチ方法だと思ったので、もし万が一、子供が危険なことをしていて止めなければいけないことがあった時は、迷わずこの方法を使うことが必要だと感じました。

具体的には、褒める叱る、報酬を与えるという事があげられるのですが、これは即効性はありますが、それらを与えなくなった時にモチベーションや自信という内面の部分を無視して指導するという事になります。

個人的には、子供に危険が及びそうなとき以外に、外発的動機付けを使ってしまう時は、自分の指導を改める必要があると考えています。

内発的動機付け

内発的動機付けで面白いのはブルーナーやソーンダイク、ケーラーによる実験で、これらはすべて、自分で試し、実験を繰り返すことで、自分にとって快適なものの頻度は増え、不快なものは減っていくというものです。メリットとしては、発見の喜びや問題解決を通じての自信を育み、内発的動機付けに繋がることがあげられますが、デメリットとしては、時間がかかることがあげられます。

指導者としては、環境やトレーニングメニューを誤って設定すると、誤った成功体験を得ることに繋がってしまうため、指導能力が試されます。

また、ブルーナーも言うように、全く知識のない状態でこれらの方法を用いても意味がないという事です。

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第13章 障害と支援

発達障害の判断の基準

自閉スペクトラム症注意欠陥多動性障害学習障害などの発達障害について学びましたが、ここに書かれていた発達障害の基準は、それらと思われる行動を6ヶ月間取り続けたときという事になります。

これを読んで思ったのは、指導者としては、中々、集団の輪に入っていけない子や集中力のない子、コミュニケーションがうまく取れない子に対して、発達障害の恐れがありますねなんて考えていたら、指導放棄にほかならないと考えてしまいます。

この件に関しては、みんな学校に通っているのですから、発達障害ではない子がスクールに来るということを前提に指導していくことが子供達の為に自分が最善の力を発揮でいる方法だと考えました。

発達障害の検査方法から学んだこと

発達障害の検査方法や支援方法についてはとても参考になることが多いと感じました。

検査方法については、フォーマルなアセスメントとインフォーマルなアセスメントがあり、インフォーマルなアセスメントは、普段の観察や保護者との面接によって判断するというものです。

この時に、個人間差や個人内差を基準に考える必要があります。

個人間差は、対象の年齢の割、どうかという判断基準で得意不得意を導き出します。

個人内差は、年齢関係なく、この子の得意不得意を導き出します。

これらをしっかり観察して、指導に生かしていくことが大切だと感じました。

また、保護者とのコミュニケーションにより、子供の生活や性格などもしっかりと把握しておくことが判断の基準になるとも感じました。

 発達障害の支援方法から学んだこと

支援方法については、環境設定と視覚支援などがあります。

環境設定については、以前は、ビブスを袋に入れてもらっていたのですが、中々全部しまうということが出来ていなかったので、箱に入れるようにしてもらうようになりました。全部とはいきませんが、しっかりと使った場所に片づける習慣を身に着けつつあります。また、ビブスをたたんでかえすという習慣も身に着けやすいところがよかったのを感じ、これは環境設定がよかった一例だと感じました。他にも環境設定を改善できるように努めていきたいと思います。

視覚支援は、年長さんや1年生を指導していて思う事ですが

「あそこのコーンにボールを集めて」

と指をさして伝えたとして

年長さんや1年生は特に、指している指を見ていないことが多くあります。

場所を伝える時は、子供の目線に指を対象の物に指すようにして、子供がちゃんと指を見ているか確認することが必要だと感じました。

僕も特別支援の実習は、経験させていただきましたが、本当に特別支援学校の先生方は、発達障害の子供達の為に全力で支援していると尊敬したのを覚えています。

時に、子供達が急に自分の行動をコントロール出来ずに暴れたしてしまった時に、抱きしめて安心させていました。抱きしめている間、子供に叩かれ続けていましたが、必死で抱きしめ続けていたのは今でも心に刻み込まれている映像の一つです。

 

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第14章 心と行動の問題および児童虐待

問題行動の要因 

子供達の問題行動の要因として、3つ挙げられます。

内因性・・・体の器官や遺伝的な影響

外因性・・・脳の疾患やホルモン分泌による影響

心因性・・・ストレスによる影響

これらによって子供達は問題行動を起こすのですが、コーチとして出来ることは、心因性を支えることだと感じました。

心理的な問題は、行動に影響を及ぼし、身体的な疾患は、心理面に影響を及ぼすということで、心のケアは、コーチとして最低限やらなければいけない役割だと感じました。

問題行動や習癖異常について

問題行動や習癖異常は、子供の不安や緊張、寂しさ、悲しさなどのネガティブな感情から生まれてくるもので、行動自体を止めるように指導しても解決には至りません。

習癖異常には、指しゃぶり、爪かみ、性器いじり、抜毛症、皮膚むしり症など様々に渡りますが、これらは心理的な問題の表れに過ぎないという事を忘れないように心掛けなければならないと思いました。

自分のことを振り返ってみても、不安な時は、指を唇にあてるということや、これちょっとまずいことしたなぁと思う時に頭をかく癖があるなどは気になっていたので、習癖異常は、それが心理的な負担が自分の許容を超えたときに起きるもののように感じました。

コーチとしてでいること

コーチとしてできることは、子供達がいつでも安心して話しかけれる雰囲気を作ることが大切だと感じました。普段から愛着を持ってコミュニケーションを取ることで、不安や、緊張、寂しさなどを和らげ、同時にそこの性格や癖などを把握できるように努めることが大切だと感じました。

子供が普段とは違う行動を取っているときには、何か、いつもと違う感情を感じているという可能性があるので、注意深く観察するように心掛けたいと思います。

確かに、集合した時に、お話をやめないという子がまれにいるのですが、お話をしたいというよりも何か別の感情を感じているではないかと感じている部分はありました。

不安さというか、なんというか。ここの部分は、はっきりしたことは言えないですが、コーチとして感じたのは、不安な気持ちがあるのかなぁ。とは考えていました。

毎回、集合の時に誰かと話ているというよりも、ある特定の時だけ話しているという感じでしたので、これからは、その要因も突き止めれるくらいに子供達をしっかり観察できるように努めていけたらと感じました。

第4部 学童期以降の発達を概観する

第15章 学童期~青年期

学童期について

具体的操作期の大半を占める学童期ですが、特徴としては自己中心性が減少していく、脱中心化があげられます。

学童期に入ると読み書き、計算などの学習することが可能となってきます。

学習のポイント

学習のポイントを動機付け、記憶、メタ認知の3つに分けてまとめてみたいと思います。

動機付け

動機付けは、大きく内発的動機付けと外発的動機付けの2つに分けられます。

一般的に、内発的動機付けが学習において有効であるということが説明されています。自分の中で目的を見つけ、それ自体を達成することが喜びとなるように指導していくことが必要になります。

褒め方について

しかし、外発的動機付けも有効になることがあります。例えば「褒める」という行為ですが、学習の促進に大きく手助けする役割を担うことがあります。

注意点としては、褒めすぎると、褒められることが目的になってしまうため、外発的動機付けとなってしまいます。

これを読んで、個人的に思ったのは、子供が、出来ているかどうか不安に思っているとき等に「できているよ」という確認の意味で「OK」と言ったり「ナイス」という事が有効なのではないかと思いました。

褒めすぎというのは、子供が行動して、出来たことに対して褒めたとしても、もしかりに出来なかったとしてフォローでいなかった場合に、出来なければならないという強迫観念にさらされるのではないかということがあると思いました。

また、行動して、出来なかったとして、行動したことを褒めたとしても、子供としては、出来なくてもとりあえずやればいいんだぁという固定観念を植え付けてしまうのではないかと思いました。

たまたまできてしまった場合に褒めたとしても、とりあえずなんでもできればいいんだという考えになってしまうと思いました。

個人的な考えは、子供が出来ていることに対して、「これでいいのかなぁ」と迷っている感じの時に「ナイス」と一声かける程度がベストかなと考えました。

子供が出来ていると自覚しているのに、褒めることは、褒めすぎでそれが、外発的動機付けにつながる恐れがあると考えました。

記憶について

記憶は、短期記憶と長期記憶というものとは別に、ワーキングメモリーという記憶が注目されています。

ワーキングメモリーは、記憶したものを扱う力の事で、頭の中で計算したり、会話するときもこの力を使うみたいです。

このワーキングメモリーの個人差がとても大きいことが衝撃でした。

小学校1年生になる子供でも上位10%は10歳の平均のワーキングメモリーと同じで、下位10%は、4歳の平均のワーキングメモリーと同じみたいです。

このワーキングメモリーは、学びの土台となるので、人の話を聞こうと思っても、途中で理解することができなくなり、授業についていけなくなってしまうこともあります。

子供によっては、集中力がない子、説明を聞くことが苦手な子がいることは、指導をしていて感じていたので、一人のワーキングメモリーの力を考えながら説明できるようにしながら、少しずつ鍛えれるように徐々に段階をあげていけるように努めていきたいと思いました。

メタ認知について

メタ認知とは、「認知していることを認知する」という事です。

つまりこれが、児童期における、他者からどう思われているかという原因となるものだと知って、面白いと感じました。

メタ認知には2種類あります。

認知的行動・・・自分の行動を認知し、目標や目的に沿って修正すること

認知的知識・・・日常経験や人から教えられたことにより、気付くこと

メタ認知を鍛えるためには、振り返る習慣が大切になってきます。

子供達にも、どうすればよかったのかと問いかけたり、今日あったことや楽しかったことなど、日常的なことも振り返るように子供達に聞きながらコミュニケーションを取りたいと思いました。

練習が始まる前とかに、子供達と会話していて、低学年の子は、やはり今日あったことを覚えていないことが多いのは、メタ認知の影響もあるんだなぁと納得しました。

今日何があったのか聞いてみることは、一つのトレーニングになるかもしれないと思いました。

 

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 学童期の仲間関係について

この章で個人的には、一つの疑問が解決されました。

子供の発達段階において、友人関係への価値観の移行がとても気になっていました。

学童期のメタ認知による発達で、他人が認知していることを認知できるようになります。

つまり、他の子供が、他の子の事をどう思っているかわかるようになります。

同時に、他の子が、自分の事をどう思っているかもわかるようになります。

これにより、仲間関係やコミュニケーションは、サッカーを始める前に仲間づくりを意識することから始める傾向にあるのかと感じました。

確かに初級コースの中でも、小学1年生の子とかは、人間関係というよりもサッカーをとりあえず始める傾向にありますが、小学3年生くらいから初級コースで始める子は、まず友達の名前を覚えようとしたりする傾向になると感じていました。

 

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 学童期の発達課題について

エリクソンによる学童期の発達課題は、勤勉性と劣等感です。

スポーツや学問でも、何かに努力して上達することで、自尊心が育まれたり自信へと繋がっていきます。

メタ認知の発達により、自分と他人を比較していまったり、努力してもうまくいかなかったり、あの子の方が上達しているという、劣等感を感じることがあります。

この両方をバランスよく経験し、乗り越えていくことが学童期の発達課題であり、コーチとしては、出来ることだけを経験させるのではなく、出来ない時に他の子が出来ているという劣等感を少し混ぜていき、乗り越えるための試練を与えることも大切になっていきます。

勤勉性には、実行機能が密接な関係にあり、抑制機能、切り替え、更新などを発達させない限りは、勤勉性を身に着けることが出来ないので、自己抑制と自己主張を身に着ける幼児期の発達段階も影響があります。

コーチとしては、内発的動機付けを付けることで勤勉性が身に付いていると判断した時点で、少しずつ劣等感を感じるようなトレーニングも混ぜていくことが必要になります。対戦形式のトレーニングを混ぜていけば、自分の中でも悔しさを経験するので必然的にほどよい劣等感は生まれるのではないかと考えました。

青年期について

青年期と思春期の意味の違いについてですが、一般的に

身体的・精神的な変化により影響を強調する場合を「思春期」という言い方をします。

親子関係についても様々な葛藤を交えながら自立をしていく時期と言えます。

仲間関係について

児童期と大きく違うのは、児童期の仲間関係の傾向としては、自分と同じような人と仲間を形成する傾向にあるのですが、青年期の傾向としては、自分と違う価値観や年齢、異性とでも受け入れ、仲間として形成することが出来ます。

時に、お互いの価値観をぶつけ合いながら、自分の価値観を形成していきます。

アイデンティティについて

エリクソン

アイデンティティとは、自分自身の内部で斉一性(私は誰とも違う私である)と連続性(過去・現在・未来と私は私であり続ける)が感じられることと、他者がその斉一性と連続性を認めてくれることの両方の自覚」であると言っています。

アイデンティティの確立には、「自分が思っている自分」と「他人が思っている自分」とが合致していることが必要であることを意味しています。

常に、アイデンティティが確立している部分と確立していない部分があり、確立している部分を多くしていくことが大切です。

アイデンティティの確立に必要なのは、メタ認知なのではないかと個人的には思いました。

 

第16章 成人期~老年期あ

前成人期について

前成人期は、20代後半から30代の事を言うのですが、つまり私自身、前成人期という事になります。

エリクソンの発達課題は、親密と孤立です。

結婚することや社会に出て働くことを通じて、親密な関係を築いていきます。

成人期で形成したアイデンティティを基盤に、友人や家族、子供と関わり合いながら自己のアイデンティティを見直し、再構築を行っていく時期でもあります。

未婚率の増加や少子高齢化について

日本の悩みの一つでもある、未婚率の増加と少子高齢化についてですが、個人的にも子供と関わる仕事に付かせていただいているものとして、この問題は何とかしたいことの一つです。

自分の死ぬまでに何とかしたいことは今の所二つあり

いじめ問題と少子化があげられます。

少子化についてのこの本に書かれている要因としては、個人の価値観、結婚観に対する変化、育児に対する負担感があげられると言っています。

育児に対する負担感

この中でも特に、育児の負担感についての考えられています。

戦前は、3世代に渡って一緒に暮らすことが一般的であったので、育児に関しての負担が小さいのに比べ、戦後では、核家族化が進み、近隣住民との関係の希薄化により、負担が増えたことが考えられます。

ソーシャルサポートという、家族や友人、近隣住民によって助けられて育児をしていくことがとても大切だと思うのですが

以前、マックでアルバイトをしていた時に、お祖母ちゃんとお母さんと子供の三人でハンバーガーを買いに来ていた人がいたのですが、お祖母ちゃんがお金を払おうとしたのを制してお母さんが払っていました。

個人的に思ったのは、ソーシャルサポートを受け付けていないのはむしろそういう考え方だと感じました。

「自分の事は自分でやりなさい」という固定観念では、いつまでたってもソーシャルサポートを受けることが出来ないと個人的には思いながら

「自分が困っているときに、助けてもらっているんだから、他人が困っているときは助けられる人間になりなさい」という考え方なら、ソーシャルサポートを受け入れられると自分自身、胸に刻み込みながら生活するようにしています。

高齢化が進む中で、ソーシャルサポートを上手に活用していくことが一つの解決策ではないかと考えました。

個人的に考える少子化問題について

もう一つ、個人的な話で申し訳ございませんが、自尊心の影響がとても大きいのではないかと考えています。

以前、友人が、小さい時に虐待を受けたことのある人と関わって感じたことを話してもらったことがあります。

友人「あまのって子供欲しい?」

天野「ほしいね~」

友人「だよな!ここに虐待を受けた子と受けていない子の違いがあるんだよ!」

天野「・・・?」

友人「虐待を受けてきた子っていうのは、自分みたいな経験を自分の子にもさせたくないって考えるから、自分の遺伝子を残したくないと思うんだよ」

ということを熱弁していたのですが、確かにこの感覚は、自尊心に大きく関わってくるのではないかと個人的には思っています。

こんな子供も生んでいない、若造が語る話ではないかもしれませんが・・・。

日本の自己肯定感はとても低いみたいです。

ここに子供と関わる仕事についている私としては

エリクソンの発達課題を順調に経験させていくことで、自尊心を育むために、主体性を身につけるように促していくことが、コーチとしての役割だと感じました。

 

中年期について

中年期の発達課題は、生殖性と停滞です。

自分の子供達や部下の育成に努めるなど、後進の育成などから、新しい概念などを考えていくなどがあげられます。

ここで、利己的であると停滞になってしまいます。

他者との関係や立場が変わることによって、今までの自分と向き合うことになり、今までに出来なかったことに目を向けたり、出来なかったことを出来るようにしたり、これからの為に準備したりと、アイデンティティの再構築がされる時期でもあります。

老年期について

老年期の発達課題は、統合と絶望、険悪です。

身体面でも人間関係でも失うものが多くなってくるこの時期に、幸福感を感じれるかの鍵となるのは、目的を持ち、目的に向かって「選択」「最適化」「補償」を行っていくことです。

自分が出来る水準まで下げたり、出来そうなものを選んだりしながら、自分が出来るように最適化していき、出来ない部分を何かで補償していくことが必要です。

これらを上手にできる老年が、幸福になれると書かれていました。

 

おわりに

発達心理学の本を、いつか読もうと思いながら、先延ばしにしていたので、読み終えてとても勉強になりました。

個人的には、子供達がカテゴリーを変えるごとに、また年齢が上がるごとに、コーチとのかかわり方が急激に変わることに驚いていたところもあったので、この理由をしっかりと理解できたのが大きいと思いました。

また、エリクソンの発達課題や自律、自主、主体の心理的変化や愛着の重要性など、心理学ならではの大切なことを学ぶことが出来たので、この本を読んで本当に良かったと思いました。

成人期の部分などは、もっと学んでいきたいと思うし、発達心理学についてはもっとこれからも色々な本を学んでいきたいと思います。

少子化問題は、何とかしたいと言っている割に、自分が結婚もしていなくて子供もいないのでは、説得力もないので、ソーシャルサポートを頼りに、周りの人に感謝を忘れず、5人は子供を育てられるように努力していきたいと思いました。