ルスデランパラサッカースクールの日常

風間八宏の考えや風間語の解説書はこちらの本です。

書籍「技術解体新書 サッカーの技術を言葉で再定義する

 

風間八宏について、西部謙司が書いた本です。

 

風間さんのサッカーに技術はあるが戦術はない。

 

風間さんこそ、日本を代表する育成に欠かせない存在だと感じました。

 

プロ監督として結果を出さないといけないポジションにいることが、とてももったいないと感じます。

 

組織として型にはめたサッカーは、一時的には、勝てるかもしれないが、分析されれば、限界が来る。

 

組織として型にはめられた選手は、その組織による型はうまくなるが、その選手の自体の成長はない。

 

サッカーが進化するのではなく、サッカーをする人が進化するのである。

 

育成コーチにとってとても大切なことだと思います。

 

 

そのためにも、サッカーを言葉として定義することが必要です。

 

定義し、

 

定義したものを発展させる。

 

発展させながらで補完していく。

 

その過程を継続することで、定義を洗練させていきます。

 

風間さんは、サッカーひとつひとつを定義することから始まります。

 

例えばボールを止めるという技術。

 

「止める」とは、ボールを静止させること。

 

と定義付けています。

 

止めたときに、ボールが動いていればそれは

「運ぶ」ということになります。

 

「止める」ことが、

 

風間さんにとってとても重要で、

 

「止める」ことが仲間への合図になり、

 

止めることで仲間と共有する時間

 

「今」を作り出すことが出来る。

 

「今」を作り出すためには、

 

ボールが完全に静止していなければならず、

 

ボールを止めてから1秒未満でボールを蹴れなければならない。

 

「今」を作り出すときにどこでパスを受けるのか

 

それには、仲間と「目を合せる」必要がある。

 

目を合せるというのは、

 

「今」を作り出したときに、どこでパスを受けるのかを

共有することである。

 

その際にマークされていれば、マークを外す必要があり、

 

そのタイミングは、遅くても早くてもいけない。

 

マークを外す方法も

 

人体構造から考え、必ず動けない場所を作りだし、そこでパスを受ける。

 

この技術をしっかりと理解し、実践してみてできるようにすることが大切である。と。

 

 

 

強豪国に勝つためには、7:3や8:2のポゼッション率を必要とするが、それには、最後にフィニッシュまで持っていけなければ意味がない。

 

どれだけポゼッション率を高めても負ける試合は、いくらでもある。

 

ポゼッション率を高めてチャンスを増やし、フィニッシュまでもっていくためにも個人戦術を高める必要がある。

 

 

それぞれがパスを繋いでいくからこそ風間さんのサッカーに決められた戦術は、ないのである。

 

この技術を備えた選手が集まり、チームとしてまとめ上げることで初めて、強豪国にも勝てるのではないのかと思う。

 

風間さんが語ることは、まさに育成年代で力を入れることだと思いました。

 

選ばれたプロ選手たちが、プロ監督によるプレーモデルで試合をすることで一つのチームとしてパフォーマンスを発揮していきます。

 

一つ一つの良質な食材を名料理長が料理したチームがビッククラブのようなチームへとなっていくのだと感じました。

 

個人的な感想は、

 

風間さんからみたら日本のサッカーは、遅れており

Jリーグの選手ですら育成していかなければならない存在であると。

そこに到達するまでには、育成を終わらせておいてくれよ。

と言われてるように感じました。

 

 

以前、A級ライセンスを持つユースを教えている方とお話させていただいたときのことをふと、思い出しました。

 

「おれが教え始めるときに、またここから教えないといけないのかと思ってしまうね(笑)」

と。

 

日本の育成が、バトンリレーで繋がっている以上は、

 

それぞれの年代の育成指導者が責任重大であり、

 

上の人達に迷惑をかけてしまうことが無いように

 

ひとりひとりの子供達をしっかりと

 

育成していくことが重要であり

 

コーチとしての義務だと感じました。

 

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