育成大国スペインを代表する戦術インストラクターミケル・エチャリの一冊です。
グラルディオラを筆頭に名だたる名監督が、
ミケル・エチャリのことを口を揃えて言うのは、
「学んだ知識を惜しみも無く教える」
ということでした。
ミケル・エチャリ自身その理由は、
サッカーは、難しく非常に色々な要素が絡み合っている。
心理面、フィジカル面、技術面や戦術面。
発展させていくためには、それぞれの分野を議論していく必要がある。
それでは戦術は、誰が議論していくのか。
指導者である。
戦術面は、主観的なものが多いので、意見が一致することは少ないが、
それでも議論し続けていく必要がある。
指導者は、指導方法や最終的にどこを目的にするのか決める必要があります。
ルスデランパラサッカースクールでは、
スクールである以上、チームとしての戦術を教えていくわけにはいきません。
以前、知り合いのコーチとどこまで教えるかという話になった時に、
「自分が全ての考えを教えることは、自分が描いている戦術を教えることになると思います。その子がチームに帰ったときに、チームとフィットしない戦術になってしまうかもしれないと思うので、自分の中でも一線は作っていますね」
ということを話しました。
あくまでもサッカーの原理原則を教えていきます。
ミケル・エチャリは、戦術について
「不均衡であるサッカーに均衡を与えるもの」
と述べています。
均衡状態は、コーナーキックやフリーキックなどのボールが止まっているときは、均衡状態を作りやすいでしょう。
選手やボールが動いている中では、どうなるかわからない不確実性が高い状態になります。
そのなかでも、確実性を高くし、有利にゲームを進めていくのが戦術です。
この戦術は、チームごとに異なります。
ポジションごとに練習を行えば戦術の練習ができ、
ポジションを固定しなければ、サッカーの原理原則を学ぶことができます。
ミケル・エチャリは、
良いポジションにいる仲間のもとに、相手選手を引き連れてくる選手がいる。
と言っています。
この選手は、周りの情報をしっかりと認知することができていないか、
サッカーの原理原則を理解していないか
だとあげています。
情報をしっかりと認知すること。
プレー視野を確保することは、
自分の周りにある、相手、味方、ボール、スペース、距離などの情報を集め、周りを支配することです。
そのためには、写真を撮るように周りを把握することが必要になります。
その写真がより鮮明になり、記憶として脳内に刻み込むことで
プレー視野は、広がっていきます。
サッカーの原理原則を教えていくこと。
プレー視野を広げること。
この二つは、スクール内でも大切していきたいと思いました。